CRESTECは上手に説明するべく邁進中! ―お仕事小説『咲良は上手に説明したい!』感想文―

CRESTECは上手に説明するべく邁進中!-お仕事小説『咲良は上手に説明したい!』感想文-

今年2月に刊行された、テクニカルライターを題材にした小説をご存知ですか。
『王様のブランチ』でも紹介されたと話題の『咲良は上手に説明したい!』。
取扱説明書を作成するテクニカルライターを目指す駆け出しの社会人・咲良ちゃんの目線で、マニュアル制作の現場を魅力的に発信するお仕事小説です。

目次

テクニカルライターのお仕事!

『咲良は上手に説明したい!』
滝沢志郎 著、PHP研究所、2026年

この職に就いている身ですら、入社に至るまで考えたこともなかったマニュアル業界。
まして一般の方では、テクニカルライターを知っている人はごくまれなのではと思います。
本の紹介文がまさに述べているので引用してみます。

本作は、発売3か月前の昨年末より書店員向けの試し読みを実施。「テクニカルライターという職業を初めて知った」「POPの書き方が変わった」「参考になる箇所が多い」など、専門的な職業への関心に加え、仕事に役立つとの感想が書店員から多く寄せられました。
<中略>
テクニカルライターたちが試行錯誤を重ねながら、AEDやベビーカーなどさまざまな取扱説明書を作り上げていく過程をリアルに描き、実務に役立つ具体的な事例がストーリーの中に自然に盛り込まれている点が特長です。小説としての面白さと実用性を兼ね備え、読書好きの方はもちろん、ビジネスパーソンにもおすすめの一冊です。
(出典:株式会社PHP研究所 プレスリリース 2026/4/21)

How to本なのでは、というほど具体例を盛り込んだ本書。
著者の滝沢志郎さんがフリーランスのテクニカルライターと聞けば納得です。
滝沢さんと弊社の協働実績は確認できませんでしたが、
いつかご一緒する日は来るでしょうか。

現場はテクニカルライターだけじゃない!

本作の舞台は、ものごとが伝わる説明文を考えるテクニカルライターの世界ですが、
わたしが担当しているのはその前後周辺を扱う編集の仕事。
伝わる説明文を、マニュアルの形にして届けます。
マニュアルは紙か電子か、情報量は、製品を使うのはご家庭かプロ現場か、
高級なのか安価なのか、どの国や地域で販売するのか、リリースはいつか…など、
その時々の状況にあわせて調整し、いい塩梅のマニュアルを目指します。

仕事の内容は、気がかりを各担当者に相談して回るのが基本。
例として、情報量が多いマニュアルを、紙の冊子に仕上げたい場合の、
気がかりな点と相談する担当者をあげてみます。

  • たくさん書いても読みやすさを保つには?→デザイン担当
  • ページが多く分厚いかもしれない、1冊に綴じられる?→印刷担当
  • 費用が高くなる?→営業担当
  • 国外に販売するなら翻訳量も大、翻訳期間に各国の大型祝日は重ならない?→翻訳担当

いずれもすぐに相談できるのは、
テクニカルライターだけでなく、ほかの分野の担当者も内部に揃っている制作会社の強み。
必要な力を集結して、説明文を適切に伝える形を考えます。

作るのは制作会社だけじゃない!

そして何よりの相談相手はマニュアルのご依頼元です。

引き続き、情報量が多いマニュアルを紙に印刷して仕上げる場合を例にします。
情報量が多いため、印刷して綴じるとかなり厚い冊子になると想定し、
ご依頼元への相談事項をあげてみます。

  • どのくらいの厚さまでなら、販売する製品パッケージに入れられるか
  • 厚くてパッケージ内に収まらないときは、印刷用紙を薄いものに変更できるか
  • 印刷するマニュアルには概要だけ載せて、詳細はWebなどへ誘導してはどうか

ご依頼元とわたしたちの間にマニュアルがあり、そこに載せる情報がより伝わりやすい方向を選びあえる関係性が築けたときの「作っている!」感は得難いものですし、相談できる関係性が、必要な人まで届くマニュアルを作るカギだと思っています。

蛇足のように感想を!

さて、話題の書籍の感想文を、ということで始めた本記事。

映画やドラマに、少しでも知っている場所が映ると気持ちが盛り上がりますから、
自分のお仕事現場が舞台の小説は、なおさらミーハー気分で読み始めたのです。
読んでみれば、あるある!と共感することも、興味深い例もいっぱい。

なのですが…、どうしても意識が現実に引き戻される…。

物語の舞台になる職業といえば、医療現場や警察のイメージがありますが、
その職種のみなさんはドラマをどのように楽しんでいるのでしょうか。
少なくともわたしの場合、舞台に選ばれがちな職種に就いたら、
ドラマに没入しにくくなって、日々の楽しみを減らすことになりそうだ、
と妙な気づきを得た読書時間でした。

ともあれ、この本がマニュアル業界を発信し、世間の好奇心をそそること間違いなし。
業界外のみなさまにおすすめしたい1冊です。

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この記事の執筆者

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Ayano TanakaCRESTEC

制作スタッフ

執筆者プロフィール

マニュアル制作の編集職は、「募集要件に当てはまる人が長らく出ない、あなたは年齢以外は合致する」とハローワークから電話がかかってきて知った。20余年の編集歴より長い打楽器歴あり。今秋マーチフェスタ開催、実りの季節の松本へぜひお越しください。https://www.facebook.com/BritishBrassDolce/?locale=ja_JP

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