かゆいところに手が届く「業務効率化」支援

日々の業務の中で効率化できると助かる、といった課題はないでしょうか。
大規模な基幹システムに依存する課題ではなく、小規模なツール開発で解決できそうなちょっとした悩みです。

社内のシステム担当者が多忙を理由に「ちょっと待ってほしい」と対応が後回しになり、「業務を効率化したい。でも、この細かい課題、誰に相談すればいい?」と悩んでいるケースをよく耳にします。

前回執筆した記事「インタラクティブ動画はタイパ時代の救世主となれるか」に引き続き、「タイパ(タイムパフォーマンス)」を一つの切り口に、クレステックが提供する業務効率化支援についてお話していきます。

目次

業務効率化とは

まず「業務効率化」とは何かを定義します。

業務効率化とは、「ムリ」「ムダ」「ムラ」と呼ばれる3Mを削減し、業務を合理化することを指します。

  • ムリ
    過密なスケジュールや能力以上の業務により、従業員に過剰な負担がかかること
  • ムダ
    従業員の能力や社内設備、予算、スケジュールを有効活用できていないこと
  • ムラ
    不要な工程などにより、業務効率が安定しないこと

業務の自動化やITツールの導入、フローの見直しなどの施策を行うことで、業務の効率化につながります。例えば、身近な業務効率化の例として、パソコンの辞書機能を活用し、使用頻度の高い単語や文字列の入力を効率化することなどが挙げられます。

業務効率化と生産性向上の違い

業務効率化」と近い意味で、「生産性向上」が使われることがあります。
生産性向上とは、少ない資源で多くの成果を生み出せる状態を指す言葉です。

二つの言葉の違いと関係性

「生産性向上」と「業務効率化」は混同されがちですが、業務効率化は生産性向上のための手段の一つに過ぎません。
業務効率化は、生産性を向上させて成果や利益を上げるための施策のひとつとして捉えられます。一つひとつの業務を効率化し、生産性向上を目指す流れが最適とされています。

現場のタイパを低下させる「かゆいところ」の正体

業務のタイパを考えるとき、私たちはつい作業時間に注目しがちです。
しかし、真にタイパを低下させているのは、実は以下の3つの「かゆいところ」に起因する「ムダな待ち時間」「非生産的な探索時間」ではないでしょうか。


1. 相談待ちのボトルネック:IT部門の多忙さによる停滞

IT部門は、基幹システムの維持管理やセキュリティ対応など、企業の根幹に関わる業務で常に多忙です。

そのため、現場から寄せられる「このデータ形式を自動変換したい」「部署専用の簡易ポータルが欲しい」といった大きくない要望は、優先順位が上がらず、現状維持となりがちです。この相談待ちや棚上げの期間が、何よりも現場の改善意欲とタイパを低下させます。

2. ノーコードの壁:自分でカスタマイズする手間

最近はノーコード・ローコードツールが普及してきています。誰でも使えるこのツールは、様々な業務の内製化に貢献しています。

一方で、業務の特性が特殊な場合、汎用ツールでは「あと一歩」のカスタマイズが足りず、ツール導入後に手作業やアナログなデータ調整が発生してしまうケースも少なくありません。
既存のプラットフォームやノーコードで手軽にと考えても、「応用」にはそれ相応のITリテラシーが必要で、一気に悩みが解消することは少ないはずです。

3. 情報探索のムダ:「探す時間」のコスト

業務手順や過去の技術資料の管理などが属人化していたり、バラバラのフォルダに分散していたりすると、「必要な情報を探す」という非生産的な作業に膨大な時間がかかります。これもタイパを大きく低下させる「かゆいところ」の一つです。

情報の在りかが分からず、総務やIT部門など一部の詳しい人に社内からの問い合わせが集中してメイン業務が滞ってしまう、というのは「あるある」です。

クレステックが「かゆいところ」に手が届く訳

果たして、マニュアル制作会社のクレステックが、多くの企業が抱える「かゆいところ」に手が届くのか。

その答えは、もちろん『YES』です。その理由を2つの視点からご紹介します。


1. フロー全体を俯瞰し「課題」を起点とする分析力

マニュアル制作とは、複雑な製品やサービスを、誰でも理解できる単純な手順に落とし込む作業です。このプロセスには、重要なスキルが凝縮されています。

  • 業務フロー分析
    製品の製造・運用・保守といったフロー全体を徹底的に分析し、情報を構造化
  • データ構造化
    散在する情報を集め、特定の形式(XML、HTMLなど)でデータを制作する
  • 環境に最適な設計
    顧客の「既存システム」「手持ちデータ」「閲覧環境」を把握し、最適な出力形式、運用方法、必要なツールを設計する

クレステックは、これらの知見を業務効率化に応用してきました。

つまり、「売りたいツール」に悩みを無理に当てはめるのではなく、お客様の既存データや利用環境を前提とし、フロー全体を分析した上で、悩みに合わせた最適なカスタムツールや仕組みを設計・開発します。

2. 課題をすぐに仕組みに変える自社開発部門の存在

クレステックには、この分析結果をすぐに形にするIT開発を担当する部門が存在します。会社の基幹システムを管理する部門とは異なる「開発部門」です。


右下の赤枠内が開発領域。社内のさまざまな制作業務をサポート

自社のマニュアル制作業務の効率化で培われたノウハウを活かし、社内の開発だけでなく、そのノウハウを生かして社外の開発も支援しています。

この体制により、大規模な外部開発ベンダーに依頼する手間や、IT部門の承認待ちの時間を短縮し、現場の「かゆい」を最短で解消することが可能です。

社内で実践!「自社の悩み」から生まれたカスタム開発ツール群

クレステックのカスタムソリューションは、自社のIT開発部門を中心とした制作スタッフが、自社の「かゆいところ」を解消するために開発・導入したツールやアプリケーションの数々に裏付けられています。

マニュアルの制作工程のデータ変換や校正など「単純だけど時間がかかる」という作業を短縮、一部自動化するツールを多数運用中です。

汎用ツールでは対応できないニッチな課題を解決するために生み出された運用中のツールの一部をキーワードと共にご紹介します。

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課題/目的かゆいところクレステックの解決策
社内文書管理過去の技術資料や社内文書を社内ポータルサイトを探しても見つからず、「探すムダ」が常態化。詳細を把握している担当部門への問い合わせと相談が増え、負荷が大きい状況であった全文検索エンジンを活用し、社内の各種サーバーやポータルサイトを横断して検索できる「社内横断検索システム」を構築。欲しい情報を自分で探せる環境を社員に提供して、問い合わせ工数を削減した
新入社員教育新入社員を対象に弊社独自の情報セキュリティ基準について教育実施するが、対面での講習では、対応者によって教育の質に「ムラ」が発生し、受講履歴の管理も煩雑だったオープンソース・ソフトウェアの学習支援システムを独自でカスタマイズし、eラーニング環境を構築。質の平準化に加え、受講者管理(履歴確認)の負荷も軽減した。教育コンテンツも同時に制作
HTMLマニュアル
データ作成
Webやモバイルでの配信に向けたHTMLマニュアル制作ニーズが増加。クライアントの手元にあるデータはPDFだけ。データ変換の手間やデバイスごとの調整作業が発生し、コーディングスタッフのリソースを圧迫していた既存のドキュメントデータ形式を活かし、マルチデバイスに最適化されたレスポンシブHTMLへ自動変換するWebアプリケーション「HTML Forge(HTMLフォージ)」を構築。社内の制作スタッフ向けに開発したが、現在は対外的なサービスとして提供中
aiデータ内の
フォントチェック
Adobe Illustratorで制作されたaiデータのフォントが統一されているかを目視で確認していた。データを一つ一つ開く→フォント情報を確認する、という作業が多く、チェック作業に時間を要していた。品質保証の一環として、作業平準化しているからこその課題aiデータを開かずに使用フォント情報(ファイル名、フォント名等)の一覧をテキスト出力する「ai Font Checker」を構築 。テキストフレームから文字が溢れていないか検知するツールなども開発し、イラストのチェック作業を可能な限り自動化
チャットボット
の精度検証
AIチャットボットサービスの品質保証体制として、一定数の回答の精度検証を行っている。想定問答をAIチャットボットに入力、回答を精査する作業に労力と時間がかかっていたRPA*1 を活用し、検証作業の一部を自動化。複数のシステムやアプリケーションを操作、作業を実行させ、人間の「業務時間外」に検証の作業を処理させることで格段に処理数が増加した
翻訳データの連携効率化Microsoft Excelファイルで管理する翻訳対象のテキストをAdobe InDesignのドキュメントに正確に流し込む作業や翻訳支援ツールTrados Studio向けにデータ変換する作業が煩雑で、作業フローの滞留を招いていたMicrosoft Excelファイルから翻訳対象のテキストを自動抽出し、Adobe InDesignなどに自動で流し込む(書き戻す)ツールや、翻訳メモリ用のデータ変換ツールを開発し、翻訳工程の前後作業を効率化

*1 : Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーションの略。ソフトウェアロボットがPC上で人の定型的な作業を自動化する技術。

業務のタイパを最大化するパートナーへ

業務効率化のカギは、大規模なシステム導入の有無だけではなく、「現場の小さな不便」や「システム間のミスマッチ」といったかゆいところをどれだけ丹念に解消できるかが大切になってきます。

マニュアル制作で培った業務フロー分析力と、それを実現する自社IT開発部門のカスタム技術力を融合させることで、クレステックはあなたの会社のタイパ最大化の仕組み構築に貢献します。

導入したツールや基幹システムの使用想定範囲からこぼれてしまった業務を、「既存環境」と「手元のデータ」を前提にどう効率化するか。
そんなお悩みがあれば、まずは弊社の担当営業に、「ここがかゆいよ」とお気軽にお悩みや愚痴をこぼしてみてください。

  • Adobe、Adobe Illustrator および Adobe InDesign は、米国およびその他の国における Adobe の登録商標または商標です。
  • Microsoft および Excel は、米国およびその他の国における Microsoft Corporation の登録商標または商標です。
  • Trados Studio は、RWSの登録商標です。
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この記事の執筆者

Kenta Morishimaのアバター

Kenta MorishimaCRESTEC

プランナー

執筆者プロフィール

地方新聞社の記者、青年海外協力隊での環境保護/広報業務支援を経て、2016年にクレステックに入社。クレステックの“得意を生かした”プロモーションなど新規案件のプランニングを担当。
Jリーグ推し。週末はサックスブルーのユニフォームに身を包み、各地のスタジアムゴール裏に頻繁に出没。その影響から週の前半は声が枯れがち。

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