シテンをご覧の皆様は、Webサイト・紙媒体・映像等、様々なチャンネルでサービスや製品の紹介をされていると思います。
良いサービス・製品だから、機能や装備をしっかりと説明して・・・
でも、ユーザーは「機能や装備」が欲しいのではありません、『それを導入・購入したことでどうなる?=ベネフィット(価値)』を求めているのです。
目次
そもそもベネフィットとは?
ベネフィットは英語で利益や報酬を意味する「benefit」を元にする言葉で、マーケティングにおいてはサービス・製品を顧客が利用する事で得られる効果や利益を指します。
なんだか分かったような分からないような…
「スペック・メリットとは違うの?」はい、よくそう聞かれます。
スペック・メリットとは違うの?
- この車は最大〇〇人が搭乗できます
- このカメラは1秒間に〇〇枚撮れます
- このクラウドストレージは容量無制限です
これらは「スペック」です。サービス・製品がもつ機能・装備等です。
「メリット」は、そのスペックを有することで発揮される利点・特徴です。
『(スペック)だから、(メリット)です。』といったふうに、説明できるものとなります。
上記のスペックに対するメリットはこんな形になります。
- だから家族全員が乗車できます
- だから高速連写が可能です
- だから写真が◯◯◯◯◯枚以上保存できます
さて「ベネフィット」は何でしょうか? ベネフィットは『(スペック)があることで生じる(メリット)で顧客が得られるもの』です。
スペック・メリットは製品・サービスの売り手側の視点として存在するもの。
それに対してベネフィットは顧客側の視点になるものとも言えます。
- 家族一緒にどこへでも行ける
- このカメラならその一瞬を逃しません
- 我が子の成長の思い出ををずっと残せます
こんな感じでしょうか?
そして、そんなベネフィットを一言で表すものが「キャッチコピー」となります。
べネフィットは一つではない
実はベネフィットは一つだけとは限りません。
それは顧客の属性によってメリットから得られる利益が違うからです。
ですから、顧客の属性ごとにアピール内容を変える必要があります。
とにかく買ってもらいたいと、子供も大人もおじいさんも男性も女性も・・とありとあらゆるユーザーをターゲットにして一つの広告やWebページ等に詰め込んでしまったことはないでしょうか?
気持ちは非常にわかりますが、結局の所「誰にも何も響かない」となることがほとんどです。
Webサイトでランディングページを顧客の属性ごとに作ったほうが良いのはこんな理由でもあります。
ベネフィットはサービス・製品の売り方にも大きく影響する
コンビニエンスストアの場合、
- スペック「24時間営業」
- メリット「いつでも買い物ができる」
- ベネフィット「急な入り用でもコンビニに行けば大丈夫」
ですね。
したがって、急に必要になりそうな物を品揃えして、さっと入ってさっと購入できる店舗サイズ・出店場所の検討をしているはずです。
近所のホームセンターで安いからといって2Lの水のケース売りで価格競争はしませんし、ショッピングモールのような駐車や買い物に時間がかかる巨大店舗は作りません。
しっかりと時間をかけて計画して購入するような商品は取り扱いしないでしょう。
ベネフィットはサービス展開の方法にも大きく影響しているんですね。
「子供の学校で必要なものが当日朝に判明!」
「急な法事だけど香典袋が無い!」
などコンビニに駆け込んでホッとしたことがある方は多いのではないでしょうか?
某コンビニの昔のCMのキャッチコピーが「あいててよかった!」でした。
ベネフィットが反映された、よく出来たキャッチコピーだと私は今でも思っています。
さて、あなたのサービス・製品はしっかりと『ベネフィット』を伝えられていますか?
売り手側の想い・都合だけを一方的に伝えていないか、今一度よく見直してみてはいかがでしょうか。