今日の実機確認(プリンター編)

今日の実機確認(プリンター編)

「今日の実機確認」として、マニュアル(取扱説明書)制作では現在どのような実機確認を行っているのかをお伝えします。今回は「プリンター編」です。

そもそも、マニュアル制作は、操作方法などの文章を考えるだけだと思っていませんか。
実は、マニュアルを制作する工程(過程)に“実機確認”という大事なタスクがあります。

目次

1. “実機確認”って何のこと

“実機確認”とは
試作機(プロトタイプ)を実際に動かしたり、操作したりして、仕様書通りに作られているかを確認する作業です。
たとえば、プリンターのマニュアルであれば、実際にプリンターを触って確認します。
より詳しく確認する場合は“実機取材”と言います。

“現物確認”という言い方もします。この場合は製品(ハード)の確認というよりも、ソリューション(ソフトフェア)の動作やUI(ユーザーインターフェイス)が仕様書通りかを確認するときに言います。

“実機確認”を怠たると、実際の製品と異なる仕様が記載されているマニュアルが出来上がるため、マニュアルを見て製品の使い方などを確認しようとしたお客様(ユーザー)はとても困ってしまいます。

そのため、“実機確認”は大事なのです。

2. どうやるの

プリンターの実機確認を例に説明します。
※ここでは複合機(スキャナー付きのプリンター)を確認します

1.外観確認
まずは、プリンター本体の各部の種類、形状や動かし方が仕様書通りになっているかを確認します。

2.内部確認
次に、スキャナーユニットを持ち上げて、プリンターの内部の部品の種類、形状や数が仕様書通りになっているかを確認します(確認が終わったら、スキャナーユニットを下げて元の位置に戻します)。

3.操作パネル確認
最後に、電源を入れて操作パネル(コントロールパネル)のLCD画面(液晶ディスプレイ)に表示されるUI(ここでは文字列を指します)や挙動、画面遷移や階層が仕様書通りになっているかを確認します。

その他、マニュアルに記載する操作手順通りに操作して印刷できるか、特定の設定にしたときに意図した通りに印刷されるか、コピーやスキャンができるか、無線LANの設定方法などを確認します。

以上を確認し、仕様書と試作機で乖離(かいり)がある箇所は、最終仕様はどうなるのか設計の担当者に確認します。

仕様書や試作機は設計・開発途中の場合があるため、仕様が確定したと思われるものでも、いつの間にか仕様変更が入っている場合があるからです。

<ワンポイントアドバイス>
Q. 確認したい設定項目や機能が表示されない。
A. 設定を変更しないと、操作パネルのLCD画面に表示されない設定項目や機能があります。
 また、利用者制限や機能制限、管理者設定などによって表示されない場合があります。
 仕様書の制限事項の説明箇所を確認すると表示される条件が書いてあります。

3. “実機確認”で大切なことは

事前に何を確認したいのかを明確にしておく準備が大切です。

たとえば、無線LANの設定方法や切断/接続時の表示を確認したい場合は、無線LANのSSID(ネットワーク名)とパスワードを事前に確認しておかないと、実機を目の前にしても設定ができなくて、「確認できませんでした」ということになってしまいます。

さあ、これであなたも今日から実機確認を始められます。

より詳しい内容を知りたい方はお気軽にお声がけください。

“実機確認”について説明しましたが、実機本体で設定を変更するのではなく、Webブラウザー上でプリンターの設定変更や機能制限設定、ネットワークサービスの設定をすることもできます。

このようなときの操作についてもマニュアルに記載する場合があるため、ソフトウェアの“現物確認”をする必要があります。

こちらについてはまた次回。

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この記事の執筆者

Akira Higetaのアバター

Akira HigetaCRESTEC

制作

執筆者プロフィール

テクニカルライティング、DITA対応CMSによるマニュアル(取扱説明書)制作など
主に、プリンター製品、プリンター関連ソリューションのマニュアルを制作
テクニカルコミュニケーション技術検定(TC技術検定)3級 テクニカルライティング[TW]
人が本当に知りたいことは何だろう。
本質は何だろう。と、問う日々です。

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