企業SNSは、始めたからといってすぐに目に見える成果が出るわけではありません。でも、だからといって「反応が少ないから」とすぐに手を引いてしまうのは、もったいないと感じています。
私は本業のかたわら、LinkedInというビジネス系SNSでクレステックのアカウントを運用しています。何かのきっかけで作られたまま放置されていたものを、2023年から本格的に再始動しました。
これから企業SNSを始めようと考えている方に向けて、日々試行錯誤しながら運用するなかで心がけていることや、実感したことなどをお伝えしたいと思います。
目次
SNS運用の目的は「認知」「信頼」「接点づくり」
SNSというと、“バズ”に注目が集まりがちです。ですが、企業アカウントにおいては、バズがすべてではありません。
私たちが日々発信しているのは、社内活動やサービス紹介、IR情報や拠点紹介など多岐に渡ります。目的は大きく3つあり、1つ目は社外の方に「会社の認知度を上げる」こと。2つ目は社内の社員に「会社への愛着を持ってもらう」こと。そして3つ目は、「将来的な接点づくり」です。
ウェブサイトだけでは届きにくい層にリーチもできるため、何かのきっかけで「そういえば、クレステックって会社があったな」と思い出してもらえる可能性が高くなります。その“接点”を持つ手段として、SNSはとてもメリットがあると感じています。
どのSNSを使うべきか
私が運用しているLinkedInは、いわば“ビジネスの名刺交換所”のような場所です。世界的には浸透しているものの、日本ではまだ発展途上な印象があります。日本人ユーザーのみをターゲットにする場合、SNSの種類と特徴だけでなく、国内のアクティブユーザー数も参考に選ぶと良いでしょう。
どのSNSを選ぶべきかは、目的やターゲット層によって変わります。以下は、それぞれの特徴と活用ポイントをまとめた一覧です。

ひとり運用はコツコツ続ける工夫を
投稿内容は、社内行事や取り組み、社内報の紹介などさまざまです。最初は「これでいいのかな?」と手探りでした。そして正直に言うと、本業が忙しくなるとSNS更新はどうしても後回しになりがちなので、投稿ネタのストックはとても重要です。
そのため、時間があるときに季節行事や定例イベント、社内活動をざっくり記載したリストを作成して「今月はこれがあるな」と、思い出せるようにしています。
多くのSNSでは、定期的に投稿を続けることでアルゴリズムに評価されやすくなり、インプレッションやリーチの増加が期待できます。また、心理学の「単純接触効果」にもあるように、繰り返し目にすることで親しみや信頼感を持ってもらいやすくなります。
そして、投稿前にはIR情報に限らず第三者によるチェックを入れるようにしています。企業SNSでは、思わぬことが情報流出に繋がる可能性があるという点を忘れないことが必要です。
社内情報は草の根活動で集める!
SNSは情報発信がメインと思われがちですが、一番大変なのは“情報を集めること”かもしれません。
私は本社勤務でもなければ管理職でもないので、特別な情報が自動的に集まってくる事はありません。そのため、社内掲示板をチェックしたり、「SNS担当」という立場を活かして、色々な拠点や部署の方と関係性を築くよう心がけています。
「ちょっと聞きたいのですが…」と声をかけやすい関係があると情報も得やすくなるので、こうした地道な積み重ねが、SNSの投稿内容につながっていくと感じています。
まとめ:焦らず、着実に
企業SNSにおいて、バズを狙う必要はありません。着実に投稿を重ね、見てくれる人が少しずつ増えていくこと、思い出してもらえる機会が増えること、そうした“静かな成果”にこそ意味があると思っています。
私自身、まだまだ試行錯誤の連続で、プロのマーケターから見たら素人同然かもしれません。でも、だからこそ「広報やったことないけど、やってみようかな?」と思っている方に、少しでも「できるかも」と思ってもらえたら嬉しいです。
SNS運用を迷っている方がいれば、ぜひ小さな一歩から始めてみてください。