DMの発送費を抑えるためのヒント

物流界の人員不足問題・コスト高騰が注目されている2024年、10月1日の郵便料金大幅値上げは記憶に新しいのではないでしょうか。インターネットが普及し、マーケティングも紙からデジタルへの移行が進んでいますが、やはり紙で訴求したいというケースも非常に多く残っています。しかしながら、発送費の高騰により、デジタルマーケティングに頼らざるを得ない状況も発生しています。

「紙で作りたいけど、コストが・・・」そんな方のために、少しでもDMの発送コストを低減させるためのヒントを印刷会社の視点でご紹介させて頂きたいと思います。

目次

郵便料金値上げの概要

まず、2024年10月1日に郵便料金がどのように変わったかを確認したいと思います。

通常よく使用される種類を抜粋しましたが、この中だけでも1通あたり16円~60円と大幅な値上げとなっていることが分かります。主に郵便でDMを発送されているとすると、仮に1,000通のハガキ(63円→85円に値上げ)の場合、63,000円→85,000円となり、22,000円のコスト増※1となります。この金額は旧料金で換算すると約350通分となりますので、今回の郵便料金の値上げが与える影響が大きいことが分かります。

※1 各種割引料金を適用しない場合の金額

発送費を抑えるためのヒント

では、ここからは発送費を抑えるためのヒントを、印刷会社視点でご紹介させて頂きます。

①紙を薄くする

郵便の基本的な料金設定は、「大きさ」と「重さ」という2つの要素で決まっています。つまり、同じ大きさの郵便物であれば、重さが軽い方が料金は安くなります。発送する物が冊子であれば、ページ数を減らせば重量が軽くなりますが、ページ数を減らせば情報量が減ってしまいます。情報量を減らさずに重量を軽くするためには、どうすればいいのでしょうか。

それが「紙を薄くする」という方法になります。

同一種類の紙であれば※2、紙は薄くなれば重量が軽くなっていきます。紙を薄くしたことにより、仮に紙1枚あたり0.7g軽くなったと仮定すると、60ページの冊子(紙の枚数は30枚)であれば約21gの軽量化が出来ることになります。

元々、合計70gの定形外郵便を利用していたとすると、料金は1通140円でした。

70gのまま何も変更しなかった場合、10月1日より1通180円に値上げされてしまいます。

しかしながら、21gの軽量化を行った事により、重量が49g(70g-21g)になりますので、

1通 180  1通 140

と、旧価格と同じ値段で発送できることになります。

ただし、一定以上紙を薄くした場合、仕様・製造ロットにもよりますが、印刷物の製造費用が上がる事があります。

※2 紙の種類が違うと同じ厚さでも重量が異なります

②圧着はがきに変更する

圧着はがきを利用すると、通常のはがきに比べて情報量が多く掲載出来るというメリットがあります。また、発送費に関しては従来のはがきと変わらないため、例えば今まで定形郵便で発送していた物を圧着はがきに変更することにより、発送費を抑える事が可能になります。

1通 110  1通 85

ただし、こちらも製造ロットによっては圧着はがきの製造費が定形郵便の時より高くなってしまうことがあります。

③独自の配達サービスを利用する

日本郵政・ヤマト運輸・佐川急便等、大手の運送会社はそれぞれDM便に特化した配送サービスが用意されていますが、その他の企業にもDMに特化した独自の配達サービスが各種存在します。多くは首都圏等の大都市を中心としたサービスとなっていますが、ターゲットが大都市に限られている場合では、大手の運送会社より配送料が安く設定されている場合が多くみられます。

結局、どれが効果的なのか

ここまでいくつかのヒントを紹介しましたが、結局のところはどれが効果的なのでしょうか。「送りたい情報量」「配送先のエリア」「件数」等々、価格は条件に応じてお得なサービスが異なってきますので、一概にどれがお得かというのは提示出来ないのが実情です。

弊社では、グループ会社・協力会社とともに、これまでに様々なご提案をさせて頂いてきました。DM発送について少しでもお困りのことがございましたら、お気軽にお問合せください。最適なプランをご提案させて頂きます。

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この記事の執筆者

kawashimaのアバター

kawashimaCPLUS

生産管理

執筆者プロフィール

主に印刷物等の在庫管理~出荷のスケジュール管理を担当。
元々DTPオペレーターだったこともあり、アナログよりデジタルを好む。
プライバシーマーク取得時に個人情報保護推進事務局に所属していたため、
個人情報管理・機密管理にも精通している。

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