オートバイ電動化の未来

オートバイ乗りの皆さんは電動化に対してどのように感じていますか?
様々な視点で現在のオートバイ電動化の恩恵と課題を検討して、オートバイの未来を考えます。

目次

オートバイ電動化の恩恵

環境への貢献

  1. 排気ガスゼロ:走行中にCO₂や有害物質を排出しないため、大気汚染の抑制に貢献。
  2. 騒音の低減:モーター駆動によりエンジン音がなく、都市部や住宅街での騒音問題を軽減。

経済的メリット

  1. 燃料コストの削減:電気代はガソリン代よりも安価。1kmあたりの走行コストはガソリン車の1/3以下になることも。
  2. メンテナンス費用の低減:部品点数が少なく、オイル交換なども不要なため、故障リスクや維持費が抑えられる。

技術革新と利便性向上

  1. 家庭での充電が可能:充電施設が無くてもバッテリーを取り外して室内で充電できるモデルも増加しており、エンジン動力のオートバイのように給油のためにガソリンスタンドに行く必要がない。
  2. 再生可能エネルギーとの親和性:太陽光などのクリーンエネルギーと組み合わせれば、さらに環境負荷を低減できる。

オートバイ電動化の課題

技術面・実用面での課題

  1. 航続距離が短い:現行の電動バイクは1回の充電で30〜100km程度が主流で、長距離移動には不向き。
  2. 充電時間が長い:フル充電に数時間かかるため、急な移動や長距離移動には不便。
  3. 車両価格が高い:高性能バッテリーのコストが車両価格に反映され、ガソリン車よりも高価になりがち。

インフラの未整備

  1. 充電ステーションの不足:特に地方では充電設備が少なく、長距離移動の障壁に。
  2. バッテリー規格の統一が未完:メーカー間で互換性がないため、交換式バッテリーの場合は普及が進みにくい。

免許と車検について

電動オートバイにも運転するうえで、必要な免許が違う事をご存じでしょうか?
下記に2025年7月現在の免許区分を記します。

  • 原動機付自転車免許 →定格出力 0.6 kW以下
  • 普通自動二輪車免許(小型限定)→定格出力 0.6 kW超~1.0 kW以下
  • 普通自動二輪車免許 →定格出力 1.0 kW超~20 kW以下
  • 大型自動二輪車免許 →定格出力 20 kW超

また電動バイクについては、大型オートバイ並みの出力があっても車検は不要なんです。
ただし、長さ2.5mx幅1.3mx高さ2m以下に収まる場合。
車検が無いのはなぜか・・・・理由は 定格出力が1.0 kWを超える電動オートバイは全て軽二輪自動車に分類されるからなのです。

ただし、高出力の電動オートバイについては今後の法改正で車検が必要になる可能性も議論されています。
法的に車検が規定されていない=整備をしなくても安全ということではありませんので、自らの責任において点検/修理を行う必要があります。

新しいオートバイの概念

オートバイの電動化は、環境保全や経済性の面で大きな利点をもたらす一方で、オートバイ文化の一部や実用性においては課題も残ります。今後は、バッテリー技術の進化やインフラ整備、そしてユーザーが求めるオートバイがどのような形になるか注目されます。

まとめ

排気量が50cc以下のオートバイは排ガス規制の強化に伴い、エンジン動力のままでは対策コストが大きくなり、販売が成り立たなくなってきています。大手の各メーカーもその解決策として電動オートバイの販売へ移行しています。
排気量が50cc以下のオートバイの使用される状況は、短距離使用がメインという事やエンジン動力のオートバイに比べてメンテナンスが行いやすい事も電動化との相性が良いと思われます。

弊社でも社用車として排気量が50cc以下クラスの電動オートバイを導入しています。
下記のような使用者コメントがあり、社内の評判は上々です。

  • メンテナンス項目が少なくて良い
  • 静かで良い
  • コンセントでバッテリー充電ができるのでガソリンスタンドに行く手間が無くて良い

蛇足ですが、ガソリンスタンドに行かなくなったため、タイヤの空気圧点検のためエアゲージを買いました・・・。

オートバイ電動化に伴い自動車で採用されている機能が搭載されてきています。現在または、これからの説明書作成においても電気知識や先進運転支援知識の重要性が増すばかりです。弊社ではこの流れに対応するために低圧電気取扱の資格取得を進めたり、自動車の先進運転支援知識を学ぶ機会を設けています。
説明書作成について、ご要望があればお気軽にお問合せください。

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この記事の執筆者

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KoisoCIPLUS

ライター

執筆者プロフィール

オートバイ、農業用機械、自動車の取扱説明書を経験。
電動製品の普及にともない電動製品の取扱説明書にも携わっている。
現在はライティング業務に加えて、管理業務に励んでいる。

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